正直に言えば入学前の時点であった私の覚悟など、母が言う通り生半可な気持ちに過ぎませんでした。
覚えることはたくさんありますし、患者さんの命に関わることですから一つだって逃すわけにはいきません。
勉強をサボっていればすぐに先生には見つかり、授業の厳しさに挫折してしまう同級生もいました。
学生時代にこれほど覚えることが多いなら現場に出たらどうなってしまうのだろうと、将来を考えて怖くなったほどです。
当時は実家を出て学校近くのアパートで暮らしていましたが、挫折してしまいそうな時にはいつも実家に電話をして母の声を聞き、励まされながら何とか勉強を続けることができました。
看護学校によりますが、私が通っていた学校は教育方針も厳しく、課題などもたくさん出るのが特徴です。
授業が終わったからといってそれで勉強をしなくていいというものではなく、帰宅してからもしっかりと予習復習、そして課題をこなす必要があります。
私は両親から仕送りを受けていたためアルバイトなどはせずに済んだのですが、アルバイトをしていたり、社会人として働きながら学ぶ場合にはさらに厳しいでしょう。
私はあまり成績が良いほうではなく、課題をこなすだけで毎日が必死でした。
それでも何とか頑張れたのは母の励ましと一緒に学ぶクラスメイトの存在、そして先生方の厳しさが生徒を思うがためのものと判っていたからです。
学校を卒業してしまえば詳細に授業を教えてくれる人はいません。
誰かに教わりたいと思ってもなかなか難しいでしょう。